脳とこころの話

1か月近くブログを更新せず、失礼しました。
青山繫晴さんによると、関西では1月15日まで松の内ということなので、遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。

今年もまたダラダラした記事を書くことになると思いますが、2回に1回ほどブログランキングのバナーを押していただけると、とてもうれしいです。

 

齢を重ねると、暑さ・寒さが身に染みる。
若い頃には、例えば自分が学生の頃には、明日傘が要るかどうかが天気予報の主な関心事だったが、近年では明日の気温が気に懸かる。
そんなことで、近頃寒くて少し元気が出ない。

以前に、夏の暑い頃に避暑がてら図書館に行ったことを書いたことがありますが、実はその頃に図書館で借りた本を今、再び借りて読んでいます。

タイトルは、「よくわかる!脳とこころの図解百科」(監修 厚東篤生(ことう あつお)、濱田秀伯(はまだ ひでみち)、小学館 2008年8月)です。

書評を書いたり、本の広告をするつもりはありません。
手元にあるこの初版本は、4,000円+税となっていますが、Amazonで検索してみると今ではもっと高くなっているようなので、私のように図書館で借りるのがお薦めだと思います。
改訂増版したのかな?

Amazon本

何故また同じ本を借りたかと言うと、気になった言葉があったためです。

それは『脳の機能がいくら明らかになっても、本当に私たちは脳で考えているのかということは実証できません』
という言葉ですが、確認できませんでした。
相変わらず、私には勘違いが多いようです。

この本は専門書ではなく、一般の方に分かりやすく書かれた本です。

内容は、脳や神経の働きや仕組み、脳神経に関わる病気や症状、精神病、神経症(最近は言わないらしい)、心理学的な話などのようです。
私が敬愛するユングのことは出てこない。。。※

ただ、『「心の座」を探し求めた人々』の項目の最後に、
『「こころの座は脳である」という考え方が大勢を占めますが、「脳が解き明かされるだけで、こころのすべての説明がつくのだろうか」という問いはのこります。』
と書かれていました。

私は、ここに科学者としての医師の態度に感嘆します。
いくらpcのようにメモリーが増えても、「考える」ということはそれとは少し違うのではないか?と昔から自分自身思っていたからです。

人間を長くやっていると、生来の私のひねくれた性格と相まって、いろいろと疑い深くなる。

それで、失礼ながら「濱田秀伯」で検索してみた。
すると「日本カトリック医師会のメンバー」ということで、スピリチュアリズムの考えをお持ちのようだ。

スピリチュアリズムと言うと危ないと思う人が多いと思いますが、私は非難する気はさらさらなく、むしろ良かったという感じです。

上手く言えませんが、患者を物として観る、つまりこの症状にはこの薬を処方すれば良い、としか考えていない医師と比べるとずっと信頼できる。

この本にも書いてありますが、「プラセボ効果」というものがある。
「この新薬は効きます」と言われて、薬効のないぶどう糖やビタミン剤を服用すると、数%の患者には本当に効果が現れるらしい。

また、この本で知ったが、逆に「ノシーボ効果」というのもあるらしい。
薬効がないのに、副作用が出るというものだそうです。

統計学的に見ると、標本抽出に少し疑問を持ってしまうが、患者としてはプラセボでも何でも、症状が改善すればありがたいのではないかと思う。

誤解されると嫌なので改めて書くと、私はスピリチュアリズムを評価あるいは否定するものではなく、ただ人間のこころは不思議だな、と思うだけです。

※ (追記)
「人格:パーソナリティーーーこころのすがた」の箇所のコラムに、

『ユングは、自己の外的側面をペルソナとよびました。周囲へつよく適応しようとかたい仮面をかぶってしまったり、逆に仮面をかぶらないことで自分自身や周囲を苦しめてしまうケースがあるというのです。』

という記述がありました。